はやし司法書士事務所 愛知県一宮市
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 ◆ 悪質商法への対応



借金の整理の相談にいらっしゃる方の中には、繰り返し悪質商法の被害に遭い、その結果多額の借金を抱えるにいたったような事例も多々あります。


その原因としては、悪質な商品販売業者の執拗な訪問や電話等を受けて売りつけられる商品が、例えば「60万円の布団」であったり「100万円の印鑑」だったりと、ボッタクリ商品であり、通常高額のため一般消費者では現金で買うことが不可能なことが大半なので、商品代金の立替払契約として信販会社等のクレジット契約や提携ローン契約を結ばされ、その支払いが長期間にわたり相当な負担となってしまうことがあげられます。
そして、ひとたびこのような悪質業者にマークされてしまうと、次々と同種他種の販売業者の訪問・電話勧誘を受けるようになり、いわば悪質販売業者の「カモ」にされてしまい、本人の支払い能力をはるかに超えるようなクレジット契約や提携ローン契約を次々と結ばされてしまうというわけです。
肝心の信販会社も、自社の加盟店である悪質販売業者が次々と強引に契約を結ぶことで、自社のクレジット契約・提携ローン契約の契約数が増え、売り上げが上がるわけですから、消費者側から悪質販売業者に関するよほど多くの苦情が寄せられるなどしない限りなかなか加盟店関係の解消などをしないため、その間に同一の悪質販売業者による多くの被害者が発生し続け、さんざんカモにされ多額のクレジット・ローンを背負わされた悪質商法の被害者が最悪自己破産に追い込まれる(しかも場合によっては、苦し紛れに商品を転売してしまったり、裁判所から浪費とみなされることで、免責に多大な影響が生じることも考えられます)という悲劇が生じます。

よって、悪質商法によって背負ってしまったクレジット契約・提携ローン契約の借金を、真正面から対処しようとすれば、通常の借金の整理とは別の方法をとることを考える必要もあります。

  悪質商法の例

代表的な悪質商法としては、下記のようなものがあります。

キャッチセールス
街頭でアンケート等を装って近づき、喫茶店や営業所等に連れ込み、商品やサービスの契約をさせる手口です。
長時間延々と商品の話を聞かされ、契約をするまで帰してもらえずやむなく不必要な契約をしてしまうということが多ようです

アポイントメントセールス
電話などで「景品に当選しました」などと本来の目的を告げないまま喫茶店や営業所等に呼び出し、商品やサービスの契約をさせる手口です。
やはり長時間延々と商品の話を聞かされ、契約をするまで帰してもらえません。

デート商法
異性をターゲットに、電話等で呼び出すなどしてデートに誘いだし、相手の恋愛感情をたくみに利用して高額な宝石や着物等を購入させる手口です。
「恋人」ははじめから販売店とグルなので、いずれ連絡が取れなくなってしまうのですが、被害者本人は「恋人にふられた」と思い込み、被害にあったという認識すら持っていない場合もあります。

内職商法
宛名書きやアクセサリー作成等の内職希望者を広告などで募り、作業に必要との口実で製作機械やパソコン等商品を売りつける手口です。
商品を売りつけることが目的なので、肝心な内職の仕事は全く紹介されないか、仕事がきても「品質不良」等を理由に買い取ってもらえず、最初に購入させられた商品購入代金の借金だけが残ってしまいます。

モニター商法
商品のモニターになって毎月レポートを提出すれば、月々モニター料金を支払うという触れ込みで、高額商品等を「モニター価格」で売りつける手口です。
最初のうちは相手方業者からモニター料が振り込まれますが、やがて計画的に倒産してしまい、商品購入代金の借金だけが残ってしまいます。
マルチ商法と同じく、友人知人を介して被害を拡大させてしまうことが多いようです。

次々販売
一人の「カモ」に対し、同じ業者が同種の商品を次々と購入させる(押し売りする)手口です。
複数業者がグルとなっている場合もあり、悪質商法の二次被害が拡がってしまうこととなります。

マルチ商法
ネットワークビジネスとも。
友人や知人を介して商品等の販売組織に加入させて商品やサービスの契約をさせ、販売員となった者に今度は自己の友人や知人を相手に商品等の販売活動をさせて、ピラミッド状の販売組織を次々と拡大することによって利益を吸い上げる手口です。
無限に組織が拡大することはありえないのでいずれ破綻し、自己に商品購入代金の借金が残るばかりか、巻き込んだ友人知人までが多大な損害を被ることとなるので、人間関係に決定的な亀裂を生じさせてしまいます。


 ◆ 悪質商法被害の対処方法

  クーリングオフ

クーリングオフとは、一定の商取引(特定商取引法上の「訪問販売」・「電話勧誘販売」・「連鎖販売取引」・「特定継続的役務提供」・「業務提供誘引販売取引」)において、法律で定められた特定の商品・サービス等の契約について、一定の期間内であれば消費者側から無条件で解約できる制度です。
クーリングオフの期限は、例えば訪問販売や電話勧誘販売を受けて契約した場合は8日間というように比較的短いのですが、実はクーリングオフの期限は、法律で定められたこと細かな事項を記載した契約書面が交付させた時点から進行しますので、契約してから既に何ヶ月も経過してしまっていたとしても、契約書面に記載されるべき事項が抜けていた場合などには、「契約書面の交付がない」ものとして、クーリングオフをすることができる可能性があります。

原則、クーリングオフをする場合には、書面による意思表示を要件としますので、通常は証拠力の高い内容証明郵便を利用します。

クーリングオフは、不意打ち的・密室的な取引形態により、消費者が冷静な判断ができないまま不必要な契約を結ばれてしまう
被害を防ぐための制度なので、例えば消費者自らが商品等の購入を望んで販売店に赴き契約をした場合や、通信販売による契約の場合は、クーリングオフができません。

悪質商法の形態 商品の制限 クーリングオフの期間
キャッチセールス等 一定の商品が対象 書面交付から8日
内職商法、モニター商法、マルチ商法 原則全ての商品が対象 書面交付から20日

  クーリングオフができない場合の対応

クーリングオフの行使期間が既に経過してしまっている場合やクーリングオフの対象とならない商品等の契約でも、まだなんとかなる場合もあります。

悪質商法の問題となりそうな一定の商取引においては、法律で定められた商品・サービス等の契約について、以下のような場合には、特定商取引法上の取消権の行使により、契約を追認できるときから6ヶ月間に限り、これを取り消すことができます。
不実告知 販売業者が、契約の重要事項につき事実と異なることを告げ、消費者がその事実につき誤認をして契約をした場合
事実不告知 販売業者が、契約の重要事項につき不利益なことを故意に告げなかったため、消費者が不利益なことはないと誤認をして契約をした場合

また、消費者と事業者の契約については、以下のような場合には、消費者契約法上の取消権の行使により、契約を追認できるときから6ヶ月間に限り、これを取り消すことができます
不実告知 事業者が、契約の目的物の内容(品質や用途等)や取引条件(価格等)につき事実と異なることを告げ、消費者がその事実につき誤認をして契約をした場合
断定的判断の提供 事業者が、契約の目的物に関して将来における変動が不確実な事項につき、断定して告げ、消費者がその事実につき確実だと誤認をして契約をした場合
事実不告知 事業者が、契約の目的物の内容(品質や用途等)や取引条件(価格等)につき利益となることだけを告げ、かつ不利益なことを故意に告げなかったため、消費者が不利益なことはないと誤認をして契約をした場合
不退去 事業者が消費者の住居等に居座り、消費者が帰れといっても帰らずに困惑させ、契約を締結させた場合
退去妨害 事業者が、消費者を契約の勧誘場所に閉じ込め、消費者が帰るといっても帰らせずに困惑させ、契約を締結させた場合

それでも契約を取り消せない場合でも、民法により、詐欺・強迫を理由に契約の取消、錯誤(勘違い)や公序良俗違反を理由に契約の無効を主張できる場合もあります。

  信販会社に対する支払停止

悪質商法で売りつけられる商品やサービスは、宝石や着物など高額なものが多く、代金支払いには信販会社等のクレジット契約や提携ローン契約が利用されることがほとんどです。
この場合、消費者と販売業者の間の売買契約と、消費者と信販会社の間のクレジット契約は別の契約なので、クーリングオフ等により販売業者との契約が解除されても、信販会社間とのクレジット契約には直接影響を受けず、月々の代金支払い義務だけが残ってしまいます。
そこで、消費者が販売業者に対して主張できること(クーリングオフによる解約等)を信販会社に対しても主張して、クレジット契約の支払いを停止することとなります。
販売業者に対し主張できること(抗弁権)を信販会社相手にも適用できますよ、ということで、このことを「抗弁権の接続」といいますが、「割賦販売法」という法律では、一定の商品に関するクレジット契約については、販売業者との間で商品販売について法的トラブルが発生した場合には、信販会社に対する支払を拒絶できる権利を認めています。


信販会社への支払停止をする場合にも、証拠力の高い内容証明郵便を利用します。

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 司法書士 林  徹 (愛知県司法書士会所属 登録番号;愛知第1236号 簡裁訴訟代理関係業務認定番号;第318188号)